年会長挨拶

このたび、第53回日本毒性学会学術年会を、2026年7月1日(水)から3日(金)まで、大阪・中之島のグランキューブ大阪にて開催いたします。
本年会のテーマは、
「Evolving Toxicology -多彩な学識の交差点から生まれる知の革新」
です。
このテーマには、毒性学が今まさに大きな転換点にあるという認識と、異なる分野・立場・文化を持つ研究者が交わることで、これまでにない新たな知が生まれるという期待を込めました。毒性学は、生命科学、化学、環境科学、AI・データサイエンス、さらには社会科学とも交差しながら、進化を続けています。
私は産業界の立場から、毒性学が社会に与えるインパクトの大きさを日々実感しています。新しい技術や評価手法の導入、規制との調和、そしてグローバルな課題への対応には、産業界・アカデミア・行政の連携が不可欠です。本年会では、そうした多様な知が交差する「場」を創出し、未来の毒性学の方向性を共に描いていきたいと考えています。
開催地・大阪は、古くから「人とモノと情報」が行き交う交差点として発展してきました。現在も、製薬・化学・食品など多くの産業が集積し、学術・研究機関との連携も盛んな地域です。大阪の持つ「交差点としての力」は、本年会のテーマとも深く響き合うものと感じています。

本年会では、欧米、アジア諸国の毒性学会との連携を強化し、国際的なシンポジウムを多数企画しております。さらに、会場の一部を“International room”として設け、会期中の基本言語を英語に統一することで、世界中の研究者が参加しやすい環境を整備いたします。国際的な交流を促進し、グローバルな視点から毒性学の未来を共に考える場としたいと考えています。
大阪関西万博の熱気がさめやらぬ夏の大阪で、皆様の熱意と知が交差するこの年会が、未来の毒性学を切り拓く一歩となることを心より願っております。多くの皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。

第53回日本毒性学会学術年会
年会長 宮脇 出
住友ファーマ株式会社